話を覚えていないひと

一日、二日なら飢えをしのぐ為に話を種にしながら何とか暮らしていけそうな気がします。
だけど、それほどの飢えの経験もない自分は、そんなときのための笑い話なんて思いつかないのです。


食事の時にする話しも、結構真面目に人の話を聞いていますし、自分が話しをする時もふざけて話をすることは殆どないです。
ですが、主人の田舎に行きますと、普段話していることは、冗談として、或いは一過性のものとして聞き流されてしまいますし、それが習慣となっているので、あの時言ったことを聞いててくれなかったんだといって、文句を言う人は居ないのです。


どうしたら本気の話ができるのかと言うと、場と日時を別に儲けて話しをするのです。
どう見ても自分には理解しがたいことでした。
食事時に話しても実らないということです。
初めは冗談ばかり言って誰も自分の話をまともに受け取ってくれていないと憤慨していました。
しかし、今では自分ものんびりリムードでやっています。